勉強を始めたきっかけ
これまでの記事で、危険物取扱者乙種第1類・第3類・第4類・第5類の合格体験談をお伝えしてきました。今回はその集大成として、甲種危険物取扱者に挑戦し、無事合格することができましたので、体験談としてまとめておきたいと思います。
きっかけとしては、乙種をひととおり取得できたので、せっかくなら甲種までチャレンジしてみたいと思ったことが一番大きな理由です。加えて、高校時代に化学が好きだったこともあり、単純な興味も後押しになりました。もう一つ、親しい人から
湯浅東洋乙種を複数持っているなら、せっかくだし甲種まで目指してみたらどうかしら?
と勧められたことも、挑戦を決めた理由の一つです。
勉強した体感
甲種危険物取扱者の試験は、2026年現在、以下の3科目から構成されています。
– 危険物に関する法令:15問
– 物理学及び化学:10問
– 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法:20問
科目構成自体は乙種と共通する部分が多く、勉強の延長線上にある資格という印象を受けました。問題の難易度自体は乙種より上がりますが、乙種の内容をきちんと勉強してきた方であれば、十分合格が狙えるレベルだと感じます。
ただし、甲種は乙種と大きく異なる点があります。それは受験資格が定められていることです。誰でも受験できるわけではなく、以下のいずれかを満たす必要があります。
– ①化学系の大学卒業・学位取得:大学等で化学に関する学科を修めて卒業した方、または修士・博士の学位を授与された方
– ②化学の単位修得:大学等で化学に関する授業科目を15単位以上修得した方等
– ③実務経験:乙種免状取得後、危険物製造所等で2年以上の実務経験を持つ方
– ④乙種免状の複数所持:特定の4類(1/6類、2/4類、3類、5類)をすべて所持する方
私自身は、④の条件を満たす形で受験資格を得ました。
また、乙種の試験とは違い、甲種には科目免除の制度がありません。そのため、3科目すべてをまんべんなく得点できるようにしておく必要があります。



・ 化学系の学校に通っている方
・ 化学系の学校を卒業した方
・ 業務で危険物を使用している方
は、そのまま甲種の勉強に入るので問題ないのですが、それ以外の方は④のパターンで受験することになります。
その際、少しでも乙種の記憶が残っているうちに試験対策を開始したほうが、再度覚え直す手間が少なくて済みます。
乙種を受け終えてから、すぐに甲種の勉強に入るのが理想だと思います。



あとこれは余談だけど、甲種危険物取扱者を受験する時、
・ 卒業証明書
・ 単位取得証明書
・ 実務証明書
を用意するのには、結構時間がかかるし、手続きがめんどくさかったりするから試験を受ける事を決めた時点で、出来る限り準備を進めるのが理想だわ。
もし、上記を準備するのがどうしても嫌なら、④のパターンで受験するのも一つの手よ。
乙種の勉強は甲種の試験に直結する上、④のパターンで必要なのは危険物の免状(乙1もしくは乙6、乙2もしくは乙4、乙3、乙5の中から4種類が記載されていること。)のコピーだけだから、用意がかなり楽ね。
試験を何度も受けないといけないのと、複数の免状発行にお金がかかるのが玉に傷だけど、知っておいて損はないかもね。
使用した参考書
実際に使用した教材は、以下の4冊です。
– ①ユーキャン『甲種危険物取扱者 速習レッスン 第3版』(別冊資料集+予想模擬試験2回分つき)
満遍なく甲種危険物取扱責任者の試験範囲がまとめられています。イラストも掲載されており、解説が丁寧で分かりやすいです。ただ、掲載されている問題数は少なめなので、問題集に関しては別で用意するのをお勧めします。
– ②ユーキャン『甲種危険物取扱者 1回でうかる! 予想模試 第2版』(取り外せる解答・解説冊子つき)
甲種危険物取扱責任者に出題される問題を掲載している問題集です。非常に解説がわかりやすく、単体でも使用できますが、①と合わせて使うと大変効率が良いです。
– ③『甲種危険物取扱者試験 令和8年版』(公論出版)
実際の甲種危険物取扱責任者に出題された過去問の再現問題が掲載されています。危険物取扱者試験は、問題冊子の持ち帰りが禁止されており、尚且つ過去問が非公開です。その為、本番に出題される問題のイメージが掴みづらいところがありますが、その課題を解決できるのがこの本です。
– ④『わかりやすい! 甲種危険物取扱者試験』(国家・資格シリーズ103)
参考書と問題集がセットになっており、アウトプットとインプットを効率よく行えます。非常に丁寧な解説はもちろんのこと、語呂合わせによって覚えるコツが掲載されており、とても役に立ちます。①が合わない人は、こちらを使用すれば良いと思います。
どの参考書も内容がしっかりしており、解いておいて損はなかったと感じています。ただ、今回も少し数を揃えすぎた感は否めません。①・②の組み合わせ、もしくは③・④の組み合わせのどちらかだけでも、十分合格を狙うことは可能だと思います。



③の問題集は、甲種危険物取扱者を受験している人は結構な高確率で使用していると思うの。
問題数が多くて全部解くのはものすごく大変だけど、分野別に問題がまとめられているし、本番の訓練に物凄く有効だわ。
仮に、他の参考書や問題集を使用していたとしても、余裕があるなら③を購入して
「苦手分野の補強のために使う」
といった使用方法もアリだと思うわ。



仰る通りだと思います。
甲種危険物取扱責任者試験は、乙種の時と違って細かい内容が問われがちです。
なので、苦手分野を感じている方で、時間とお金に余裕がある方は
「③を追加で購入し、苦手分野の問題だけを解く」
といったやり方をすれば、さらに本番を安心して迎えられると思います。
当日の試験の様子
試験当日は、乙4を受験したときと同じ大学の会場でした。受験者数は、乙種各類を受験する方々と比べると、かなり少なめでした。それでも、欠席者や遅刻者は見当たらず、会場にいる全員が試験直前まで参考書を真剣に読み込んでいる様子が印象的でした。
以前、親しい方から



甲種は目的意識のある人や、取得が必要な人しか基本受験しないわ。
だから、結構ガチ目の試験だと思ったほうが良いわよ。
乙種と同じだと思って舐めていると落ちるわ。
と言った趣旨のお話を聞いたことがありましたが、実際に会場の雰囲気を見て、まさにその言葉の通りだと感じました。
試験本番では、明らかに難易度が高く、正直なところ回答が難しいと感じる問題も数問出題されており、かなり焦りました。それでも、時間内になんとか最後まで解き切ることができました。



甲種危険物取扱者試験は、全ての科目で60%以上を取らないと不合格になります。
その上、出題される問題数が少ないので、知らない問題が出た時のプレッシャーは結構あると感じます。
おすすめの勉強法
勉強法の基本的な考え方は、これまでの乙種のときと大きくは変わりません。
インプットに偏りすぎると、いざ問題を解こうとしたときに手が動かなくなりがちです。逆にアウトプットに偏りすぎると、知識が断片的なまま定着しにくくなります。体感として、インプット3割・アウトプット7割くらいの比率がちょうど良いと感じています。
問題集を解くときは、1周目からいきなり自力で解こうとすると挫折しやすいため、まずは解答を見ながら「解き方を覚える」使い方をするのがおすすめです。参考書に載っている問題が9割以上、安定して解けるようになれば、合格ラインには十分届くはずです。何度見ても覚えにくいと感じる用語や数値は、ノートにまとめておくと直前の見直しに役立ちます。
ただし、一点だけ注意が必要です。甲種危険物は、乙種よりもさらに細かい内容が問われる傾向があります。
乙種のときと同じ感覚で、ざっくりとした暗記のまま試験に臨むと、得点が伸びにくいと感じました。甲種を目指す方は、より正確な記憶を意識して勉強を進めることをおすすめします。



個人的な意見ですが、
解き方を覚える参考書
と
アウトプット用の問題集
を両方用意すると学習が効率的に進むと思います。
また、この試験ですが、国村は合格までに400時間くらい(乙種の勉強を含む)費やしましたが、これは明らかに過剰で、
・ 高校化学の履修経験がある人で、化学に抵抗が無い
・ 危険物を取り扱った実務経験あり
・ 乙種をすでに取得していて、ブランクがそこまでない
方だと、個人差はありますが200時間くらいで合格できると思います。
ただ、そうでない方だと、時間がかかるのも事実で、合格までに必要な勉強時間は
300時間〜350時間位
必要になる可能性があります。
合格して感じたこと


結果が分かるまでは少し不安な気持ちもありましたが、いざ蓋を開けてみると、全科目で8割以上の得点があり、余裕を持って合格することができました。
これで、一連の危険物取扱者試験の勉強を、一区切りつけることができたという達成感があります。また、甲種危険物を取得したことで、工業系のバックグラウンドを持つ方から



お!甲種を持っているのか!勉強熱心だな!



やる気があって良いぞ。甲種は取るのが大変じゃからな。
といった良い評価していただく機会もありました。
覚えることが多くて大変な試験ではありましたが、取得して本当に良かったと感じています。
実務での使用用途はやや限定的かもしれませんが、化学系の仕事に就いている方や、化学系の学校に通われている方にとっては、取得を目指す価値が十分にある資格だと思います。







